どこへ行く、予備校講師

2011.07.13

私は、教育者でも教育学者でもない。一介の予備校講師である。その意味で、いずれにも属さぬ「ニセモノ」である。だが、私はその「ニセモノ」の生き様が好きである。その「ニセモノ」に徹して、さらには「邪道」にこだわって生きていこうと思っている。世の中の座標軸からズレているがために、逆に世の中がよく見えるということも往々にしてある。そんな、人とは少し違った見方ができることが自分の財産でもあると自負している。三年タームで世の中は大きく変わっていく。そんな不確かな時代になっても、世の中の動きに左右されず、自分のスタンスを持ち続け、受験という「敵」に立ち向かう生徒と常に正面から向き合いたいと願っている。そして渾身のストレートを投げ続けようと思う。そこまで突っ張って生き続けても、どんなにこだわって生き続けても、われわれ予備校講師はいつ食いつめるかわからない潜在的失業者である。それだけに予備校講師として受け取る報酬、すなわち「金銭」しかいまの自分を証明するものはないように思える。しかしわれわれが真に求めているものは、「金銭」ではない。一人の人間としての「尊厳」なのである。